2014年 11月 08日
世界で最も革新的な企業100社中、日本企業の選出数は世界最多の39社
トムソン・ロイター Top 100 グローバル・イノベーター 2014:
世界で最も革新的な企業100社中、日本企業の選出数は世界最多の39社
From Digital PR Platform
世界的な情報サービス企業であるトムソン・ロイター(本社:米国ニューヨーク、日本オフィス:東京都港区)は、保有する特許データを基に知財・特許動向を分析し、世界で最も革新的な企業/機関を選出する「Top 100 グローバル・イノベーター 2014」を発表いたしました。
独創的な発明のアイディアを知的財産権によって保護し、事業化を成功させることで、世界のビジネスをリードする企業を選出する本アワードの発表は、2011年の発表開始から数えて4回目となります。
今年もTop 100 グローバル・イノベーターの分析過程において、イノベーションへの投資がビジネス上の成功と密接に結びついていることが明らかとなりました。過去の分析結果と同様、選出企業の時価総額加重平均売上高はS&P500企業の6.9%を大きく上回り、約2倍となる12.6%でした。
研究開発に対しても、Top 100 企業は継続して多額の投資を行っています。NASDAQ上場企業の研究開発への増資率は前年比8.18%でしたがTop 100企業は16.9%であり、NASDAQ上場企業の2倍近くとなっています。
また今年の特筆すべき点として、日本企業の躍進があげられます。昨年の28社から39社に受賞企業数を大幅に伸ばし、過去連続して受賞企業数1 位であった米国を抜き去りました。
トムソン・ロイター IP & Science ビジネスの代表取締役 長尾正樹は次のように述べています。
「Top 100 グローバル・イノベーターの選出企業は、躍進的な発明のアイディアと同時に新規雇用の創出、世界経済への貢献により、世界の技術革新を最先端でけん引しています。特に、2014年は日本企業の受賞数が世界最多となりました。日本企業は多数の独創的な発明を生み出しているだけでなく、知的財産で適切に保護しながらグローバル市場でのビジネスを効果的に展開しており、イノベーションの世界的なリーダーであることが証明されたと言えます。」
【分析方法】
Top 100 グローバル・イノベーターは、4つの評価軸を基本としています。「特許数」、「成功率」、「特許ポートフォリオの世界的な広がり」、「引用における特許の影響力」(分析対象はいずれも過去5年間)です。これらの分析には、以下のトムソン・ロイターの各データベースを使用しています。
世界最大の付加価値特許データベース 「Derwent World Patents Index(R)(DWPISM)」
特許調査・分析プラットフォーム 「Thomson Innovation(R)」
主要特許発行機関の特許引用情報をカバーする 「Derwent Patents Citation Index(R)」ほか
財務分析はトムソン・ロイターのAdvanced Analytics for Deal-Making Platformを使用しています。
【Top 100 グローバル・イノベーター 2014 受賞企業(日本企業39社)】※アルファベット順
・今年は日本企業39社が受賞し、
過去連続して受賞企業数1 位であった米国を抜き去った
・受賞した日本企業
アイシン精機株式会社
旭硝子株式会社
ブラザー工業株式会社
キヤノン株式会社
カシオ計算機株式会社
ダイキン工業株式会社
株式会社デンソー
富士フイルム株式会社
富士通株式会社
古河電気工業株式会社
株式会社 日立製作所
本田技研工業株式会社
花王株式会社
株式会社神戸製鋼所
株式会社小松製作所
京セラ株式会社
三菱電機株式会社
三菱重工業株式会社
日本電気株式会社
日本特殊陶業株式会社
新日鐵住金株式会社
日産自動車株式会社
日東電工株式会社
日本電信電話株式会社
オリンパス株式会社
パナソニック株式会社
株式会社リコー
セイコーエプソン株式会社
株式会社半導体エネルギー研究所
シャープ株式会社
信越化学工業株式会社
ソニー株式会社
住友電気工業株式会社
住友ゴム工業株式会社
TDK株式会社
東京エレクトロン株式会社
株式会社 東芝
トヨタ自動車株式会社
ヤマハ株式会社
【アジアでの受賞企業数が大幅に増加】
今年のTop 100 グローバル・イノベーターではアジアからの受賞企業が46社(日本39、韓国4、台湾2、中国1)と大躍進しています。今年は初めて中国から1社、ファーウェイが選出されています。
北米からの選出企業が次に続き36社(米国35、カナダ1)ですが、アジア企業の躍進に押される形で、昨年の46社からは大幅な減少となりました。
ヨーロッパからは計18 社(フランス7、スイス5、ドイツ4、オランダ、スウェーデン各1)の選出となりました。英国は、国内のイノベーション促進のために積極的な税制対策を進めていますが、昨年に引き続き企業の選出はありませんでした。
【研究開発費の増大】
Top 100 グローバル・イノベーターの選出企業が、他の企業より研究開発費を増加させていることも特筆すべき点です。
2013年のTop 100企業の研究開発費は2,087億ドルで、これはS&P500企業を12.9%上回っています。
【分野別内訳】
半導体および電子部品製造は昨年の23社から21社に減少したものの、引き続き最も選出企業の多い分野です。
次にコンピュータ・ハードウェアの13 社(昨年は11)が続きます。工業製品製造の8社(昨年は7)は、6社となった自動車製造(昨年は8)に替わり第3位となりました。
【製薬企業の受賞数が増加】
Top 100 グローバル・イノベーターの選出基準では、市場の変化が早く、競争が熾烈な半導体・電子部品製造やコンピュータ・ハードウェアのような分野からの選出が多くなる傾向があるため、開発期間が比較的長い製薬企業の選出は多くありませんでした。
しかし今年は、グローバル性が高く、強い特許ポートフォリオを持つアボット・ラボラトリーズ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、ノバルティス、ロシュの4社が選出されています。
【スマートフォンの“特許戦争”がイノベーションを加速】
スマートフォン市場での苛烈な競争はTop 100 グローバル・イノベーターにも反映されており、アップル、マイクロソフト、サムスン、グーグル、ブラックベリーなどの主だった企業が選出されています。
ブラックベリーは昨年の初受賞後に革新的技術を統括・管理するための独立事業部を設立するなどしてビジネス全体を再構築し、最近になって新型スマートフォンPassportを市場に送り出しています。
http://japan.cnet.com/release/30085674/